「おすすめの在宅ワーク求人サイト」や「在宅ワークの始め方について」を分かりやすく紹介したサイトは数多く存在していますが、在宅ワーカーに仕事を発注するクライアント(仕事の発注者)側の立場から、在宅ワークを紹介しているサイトはほとんどありません。
私はいくつかのサイトを運営している関係上、在宅ワーク求人サイトで仕事の募集を行います。その経験から、今回はクライアントの立場からみた『ほとんど語られない在宅ワークの裏事情』についてご紹介したいと思います。
本ページでは「クライアント=企業・会社」と説明していますが、「クライアント=個人事業主」のケースもありますので、その場合は「社員が1人の会社」と読み替えてください。
クライアントが在宅ワーク求人サイトでワーカーを募集する理由

企業などで『社外の人間に報酬を払って仕事を任せること』を一般的にアウトソーシングと呼びます。では、なぜ社内の人間を使わずに、アウトソーシングするのでしょうか?
それは主に3つの理由が考えられます。
①人手が足りないとき
これは単純に社員だけでは人手が足りないため、労働力を臨時で社外に求めるのが目的です。
②社内に仕事を任せられる技能を持つ人がいないとき
専門的な技術・知識が必要な仕事で、社内にその仕事を行える人間がいない場合に、社外に助けを求める形でアウトソーシングします。
こういった仕事の場合は応募できる在宅ワーカーの数も限られている場合が多くて、売り手市場になりやすいために、在宅ワーク求人サイトで相場より「報酬が高い仕事」として募集されます。
③安価に仕事を仕上げたいとき
誰にでも出来るような簡単な仕事を、安価な報酬でアウトソーシングしたい場合に用いられる方法です。
もう少し詳しく説明すると、社内の高い技能を持つ社員には複雑で難しい仕事をさせて、誰にでも出来るような簡単な仕事は社外の人間に任せてしまおうという手法です。
たまに見かける相場より「報酬が低い仕事」が③に該当します。
アウトソーシングする利点は?
普段は必要最小限の人員で作業して、特別に大変・忙しいときだけ社外から労働力を招き入れることで、会社の人件費・運営費・維持費を最小限に抑えることができます。
確かにこの方法ですと、余計な人員や特別な技能を持つ高給取りの社員を自社に抱えておく必要もないですし、会社としてはコスパが良さそうですね。
在宅ワークの報酬が安くなりがちな理由

例えば、1時間1,000円の仕事があるとします。しかし、企業はこの仕事を1,000円ではなく800円の報酬で募集します。これには理由があるんです。
企業は在宅ワーカーを募集して、この仕事をしっかり行ってくれそうな人を採用します。
しかし、在宅ワーカーの採用では直接会って面接や事前打ち合わせを行うわけではないので、クライアント側はその人の本当の能力について正確にわかっていません。そのため、期待していた品質の仕事を行ってくれるとは限らず、仕事の手直しが必要になることがよくあるんです。
そのため、企業側が求人サイトに仕事の募集をかける際には、事前に保険として「手直し分」を本来の報酬額から差し引いた価格を提示している場合が多いんです。
このため、在宅ワーカーの立場から見ると、募集されている仕事の報酬が安いイメージを受けてしまうのでした。
どんな在宅ワーカーがクライアントに好まれるのか?
クライアントは下記のような仕事ぶりのワーカーとは、長期で仕事を行いたいと考えています。
- メールやメッセージの連絡にすぐに返信してくれる
- 納品期限を確実に守ってくれる、または期限よりも早く仕事を仕上げてくれる
- 不明点は仕事の開始前にしっかりと質問して、お互いのイメージにズレがないようにしてくれる
- 新しいアイディアや仕事の改善点などを積極的に提案してくれる
私も以前は在宅ワーカーとして複数のクライアントと付き合ってきましたが、上記を意識して仕事を行うことで、直接指名で仕事をもらえたり、同じ内容の仕事でも前回より高い報酬で受注することができるようになりました。
また、大手求人サイトでは仕事完了後にクライアントと在宅ワーカーの双方で、お互いを採点する仕組みがあります。

そして、ここだけの話ですが、仕事を発注したクライアントだけは「今回雇ったワーカーを次回以降にも雇うか?」という秘密の質問があり、優秀なワーカーはより高得点になる仕組みが存在します。
おわりに
いかがだったでしょうか。
普段は想像もしないクライアント側からみた在宅ワークの事情について、みなさまの理解の一助となれば幸いです。